<大分国体:陸上>◇8日目◇4日◇大分・九州石油ドームなど

 成年女子400メートル障害に出場した北京五輪同種目代表の久保倉里美(26=新潟アルビレックス)が、自らが持つ日本新を更新する55秒46をマークし優勝した。来年8月にベルリンで行われる世界選手権の参加A標準(55秒50)も突破し、早くも五輪に続く大舞台の有力候補となった。

 逆転の発想が久保倉の記録更新につながった。「国体なので記録より勝つことだけを考えた。タイムは期待していなかったので、時計が壊れているんじゃないかと思いました」。北京五輪後は、ハードル間の歩数を減らし、ストライド重視を意識していたが、9月27日の全日本実業団対抗では57秒43と平凡なタイムに終わった。今回は「あえて歩数を増やして考えずに、がむしゃらにいった」。来年の世界選手権は、北京五輪入賞者で日本人最上位なら文句なしで出場資格を得られる。久保倉は準決勝敗退のため、今回のA標準突破は有力な選考ポイントとなる。日本陸連の高野進強化委員長は「有力候補。どれだけ世界に近づけるか見ていきたい」と話した。