先月28日に引退を表明したシドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さん(36=ファイテン)が、来年から約3年で全国を行脚し、陸上教室を開く計画が浮上した。9日、故郷・岐阜の「いびがわマラソン」にゲスト参加し、ハーフマラソンを1時間30分45秒で完走。ジョガーとしての初仕事になったが、来年から本格的に普及活動に取り組むことになる。

 安野マネジャーによると、対象にするのは、陸上部に所属する子どもたち。ファイテンとの契約は来年5月末で満了するが、チームQは解散せず、高橋さんがランニングフォーム、トレーナーがストレッチ、栄養担当が食事の取り方、練習パートナーが歩き方など、それぞれが専門分野を指導する。

 早ければ、来春から開始する。47都道府県を回るプランがあり、3年がかりになる予定。この活動にスポンサーがつけば、チームQの存続が可能で、普及活動の軸になる。何より、全国のファンへの恩返しにもなる。陸上の元五輪選手として、全国規模での組織的な陸上教室開催は、初めてのケースになる。

 高橋さんは「今は、陸上の楽しさを人に伝えることをしていきたい。陸上は靴1つ持てば、気軽にできる。次も皆さんと一緒に走りたいので、ぜひ陸上をやってください」と訴えた。いびがわマラソンには、沿道を含め、昨年より2万人増の約5万人が集結。人気は絶大で、来年からは「高橋門下生」のランナーが誕生するかもしれない。