東北に、アジア制覇を目指すアイスホッケークラブ「東北フリーブレイズ」が誕生した。設立会見が12日、宮城県庁で行われ、来季からのアジアリーグアイスホッケー(来年9月開幕)参入を目指すと発表。青森県八戸市、福島県郡山市を拠点とする。04-05シーズンまで日光アイスバックス監督兼FWで活躍した荒城啓介(34)が社長、監督、GM、選手と1人4役をこなし、東北アイスホッケー界に新たな風を送る。

 「アジアリーグでの優勝を目指す」。大きな目標を掲げスタートした東北フリーブレイズは、青森県八戸市、三沢市、岩手県盛岡市、福島県郡山市などの東北地方一帯でホームゲームを開催することを検討。総合スポーツ店舗を営むゼビオの全面バックアップを受け、ウインタースポーツの盛んな東北に密着し、地域貢献をしていく。

 選手としてもクラブを引っ張っていく荒城は「地に足をつけた活動をしていきたい」と話す。東北からスケートリンクが次々と消えていく流れに歯止めをかけるため、ジュニアチームを作り底辺の拡大も図る。

 荒城は03年に日光アイスバックスの社長に就任し、選手、マネジャーと3役で活躍。駒大苫小牧高、明大時代は日本一に輝いた。豊富な経験を生かし、アジアリーグ参入に力を注ぐ覚悟だ。

 来月10、11日に郡山市の磐梯熱海アイスアリーナでトライアウトを実施するが、すでに関東大学リーグ1部の東洋大などから十数人の選手が内定している。しかし、荒城は将来の夢として「ジュニアチームで育った東北出身の選手だけでアジア制覇したい」とあくまでも東北に根ざしたクラブ作りを強調した。

 アジアリーグ参入の可否は来年8月に決まる。9月に開幕する来季の参入が見送られた場合は、郡山の地域リーグで調整し次のシーズンの参入を目指す。荒城率いる東北フリーブレイズが、みちのくから日本のアイスホッケー人気の向上を図る。【三須一紀】