<陸上:全日本実業団対抗女子駅伝>◇14日◇岐阜・長良川競技場発着(6区間42・195キロ)◇27チーム

 ホクレンが15度目の挑戦でついに表彰台をつかみ取った。3区のオンゴリ・フィレス・モラー(22)が区間2位、5区の赤羽有紀子(29)が大会歴代5位となる区間ラップをマークするなど、2枚看板は期待通りの走り。ルーキーの1区山下沙織(25)と4区田中友麻(19)を含む残り4区間も健闘し、チーム最高タイムを1分以上も更新する2時間15分19秒で3位に入った。

 もう少しで日本一に届いた悔いは残った。だが、それ以上に達成感が体に満ちていた。最長5区で区間ラップの快走を演じた赤羽は「今年1年、目標にしていたものを達成できた。五輪にも出られたし、本当にいい年になりました」と笑顔をみせた。

 3区で12人抜きを演じたフィレス、トップと1分53秒差で受けたたすきを3秒差で最終6区につないだ赤羽。エース2人は期待通り、残る4区間が勝負だった。5位の昨年は2枚看板が区間1、2位も、残る4区間は11位、17位、17位、25位。優勝した三井住友海上に2分25秒差をつけられた。今年は1区の山下こそ区間16位と出遅れたが、2区の橋本和美(24)は12位、4区田中は13位、2位でたすきを受けたアンカー木富淑絵(23)は10位と健闘。優勝した豊田自動織機と1分2秒差でゴールを駆け抜けた。

 「正直もっと上も狙えたとは思いますが、全員が与えられた役割を頑張ってくれた」と藤田寛治マネジャー(44)。11月中旬に右足甲を痛め、1週間走れない状態から間に合わせた赤羽も「個人的には動きは悪かったですが、日本一を目指したから3位という結果。良かった」と胸をなで下ろした。

 チーム初の五輪代表輩出、そして創部時からの目標だった今大会での表彰台。ホクレンにとって、08年は大きな飛躍のシーズンとなった。森田修一監督(43)が就任した00年、31チーム中27位だった弱小陸上部は、国内トップクラスのアスリート集団へと成長した。