アイスホッケー界の名門、西武(国土計画アイスホッケー部)が、今季を最後に廃部することが18日、明らかになった。17日のアジア・リーグ、ハルラ(韓国)戦で敗れた後、チーム首脳陣から選手には廃部の方針であることが伝えられた。この日、アメリカンフットボールの日本社会人Xリーグのオンワードもチームの解散を発表。金融危機に端を発した景気悪化が、スポーツ界を直撃している。

 17日の敗戦後、ロッカー室に衝撃が走った。西武の小山内幹雄オーナー代行が選手の前で「(母体である)プリンスホテルは本年度以降、チームに資金を出しません」と、事実上の廃部を伝えた。その場で、若林クリス監督は号泣した。

 突然のことに、選手の1人は「アイスホッケーをするために会社に入ったのでショック。ホテルマンはできないし、この先どうなるのか」と不安は隠せない。来季メンバー入り内定者も来場しており、廃部の報を伝えられると、ぼうぜんとしていたという。

 関係者によると、廃部の背景は世界的な金融危機の影響だ。アイスホッケーはリンクの確保、防具などの用具、遠征、人件費などで年間数億円近い経費がかかる。これがネックとなり、これまでも岩倉組、古河電工、雪印などが廃部となっていた。

 西武は堤義明元オーナーの下、アジア・リーグの前身の日本リーグに、国土計画として72年から参加。同リーグ発足時からの西武鉄道とともに日本のアイスホッケーを支えてきた。プリンスホテルの広報担当は「(廃部について)そういう方向で検討していますが、まだ決めたことではありません」と話している。西武の廃部で、アジア・リーグ存続も危ぶまれる。