福島効果で全国から北海道詣で-。北京五輪陸上女子100メートルに、日本人として56年ぶりに出場した福島千里(20)が所属する「北海道ハイテクアスリートクラブ」(恵庭市)が、全国の陸上関係者から注目されている。同クラブが拠点とする同市内の室内練習施設で、25日から沖縄・中部商高陸上部が合宿中。来年1月中旬には新潟県陸協の高校強化選手も合宿を計画している。これまでも十数県から指導者が、視察に訪れている。

 中部商高陸上部は03年高校総体男子400メートルリレーで優勝するなどの伝統を持つ。現在部員は45人。北海道合宿には、全国で上位を狙える男子3人、女子2人が参加した。仲宗根敏晃監督(41)は「最近の北海道勢の活躍はすごい。話だけでなく、どんな練習をしているのか、実際に体験したかった」と北海道合宿の理由を説明する。

 同クラブの練習施設は、鉄骨造りの平屋で長さ160メートル、幅25メートル。5レーンの130メートル直線走路がある。中村宏之監督(63)は「走り込みだけというのは好きじゃない。練習には工夫が必要」と持論を説く。小学生用の低い障害や、ボールを使ったメニューも取り入れる。また、時間が合えば、福島らと合同練習のチャンスもあり、トップ選手の走りが間近で見られる。日本ジュニア5位、100メートル11秒96の記録を持つ同校の玉城美鈴(2年)は「いつもと違う筋肉を使い、こんな練習は初めて」と驚く。31日の合宿終了までトップ選手のトレーニングを吸収する。