シャンソン化粧品にはWリーグの“長沢まさみ”がいる。3年目の藤吉佐緒里(21)の才能が、今季ついに開花。リーグ戦はこれまで全22試合に出場(先発17)と活躍中だ。もともとジュニアからの各年代で日の丸を背負った実力者。静岡県出身の美人女優似の愛らしいルックスの持ち主。10日、チーム9年ぶりの優勝のかかる全日本総合選手権準決勝(対JOMO、東京・代々木第1)に臨む。大一番直前に、急成長の秘密と人気への戸惑い。そして、将来の夢まで熱く語った。(聞き手・今村健人)

 今季の藤吉の成長は、飛躍的に増えたプレー時間が証明している。全22試合に出場。昨季の計466分から、6試合を残して539分(チーム4位)に激増した。伸び盛りの21歳は、ブレークの時を迎えている。

 藤吉

 う~ん、自分では何が変わったか分からないけど、梅崎(周毅ヘッドコーチ)さんも期待して、使ってもらっているのかなあ。1年目は、上級生(注・同社では25歳以上の選手を指す)に言われたこともピンと来なかったんです。でも、今は自分で気づくことができる。

 各年代で代表に選ばれ、高校NO・1選手として06年4月に入団した。それから3年がたった。

 藤吉

 最初は「やってやろう」と思っていたんですが、すぐに「全然違う」と落ち込みました。当たりでも、本当に飛ばされた。1年目だから思い切りやればいいのにできず、ただついていくだけ。2年目は開幕先発したんですけど、途中から考えすぎちゃって…。

 ミスを引きずる性格が災い。試合中も頭に残ってリズムを崩し、伸び悩んだ。その考えが、今季は少し変わった。

 藤吉

 実はマイナス思考派。でも、最近はミスしても「これは忘れなきゃ」と思うように訓練中なんです(笑い)。相沢(優子)さんたちも「プラスマイナスゼロくらいでいいよ」とか、よく声を掛けてくれたり、話を聞いてくれて。さすが上級生ですね。オフも、前は部屋でぼ~っとしていたんですけど、最近は外に出るようにしています。

 昨夏、テレビの「美女アスリート特集」で取り上げられた。長沢まさみだけでなく、栄倉奈々や菊川怜にも似ていると言われる。

 藤吉

 いい例を言ってますけど(笑い)。自分では全然似てないと思う。入団時の髪が短かった時は、サッカー選手の安貞桓(清水にも在籍した元韓国代表FW)に似てるって言われましたし。いや、これは書かないでください。(書いてすみません)。

 人気は急上昇し、ファンレターも増えた。今、彼氏はいないが、恋愛にも興味が出始めた。だが、まずは「バスケを頑張りたい」という思いは強い。

 藤吉

 (人気は)ありがたいですけど、選手としてはまだまだすごく下の方。取り上げてもらえる分、頑張らないとと思ってます。

 小6時、福岡の公立中に進む予定で制服も買っていた。だが、熊本の強豪校から誘われ、本格的にバスケの道を選んだ。あれから10年。ついに日本の頂点が見えてきた。

 藤吉

 将来はやっぱり代表に入って五輪に出たい。でも、その前に私が入団してから優勝がないので、まずは、全日本総合で優勝を勝ち取りたい。細木数子さんの占いでは、今年は良い年らしいので…(笑い)。