愛ちゃんに「意外な援軍」が現れる。横浜アリーナで開催される卓球の世界選手権(4月28日開幕)に、日本女子代表のエース福原愛(20=ANA)が通う、早大の応援部が駆け付けることが26日、分かった。平日に約150人もの現役早大応援部を集結させる計画で、1万2000人収容の大会場を「地元の利」として最大限に活用する。この日、同選手権代表は横浜アリーナを視察し、練習を公開した。

 早大応援部主導の異色の応援が、日本をメダルに導く。最多1万2000人収容の会場は、海外プロリーグでもまれ、国際経験豊富な福原や男子エースの水谷でも驚くほどの広さ。北京五輪は中国や香港への「加油(ジャーヨー=頑張れ)」の大声援で、完全アウェーの雰囲気にのまれたが、一転して日本開催の世界選手権では大応援団を形成する計画が進行中だ。前回日本で開催した01年大阪大会女子ダブルスの武田、川越組以来、個人戦では4大会ぶりの世界選手権メダルを後押しする。

 早大の応援部部長を務める、日本卓球協会の葛西順一理事(54)が中心となり、すでに昨年度の主将と副将に連日、駆け付けてもらう約束を取り付けた。さらに同理事は「現役学生は、週末は6大学野球の応援になるが、それ以外の平日は来てもらうよう進めている」。いかつい男子だけではなく、チアリーダーや吹奏楽など、総勢150人にも上る学生を集め、大きな会場にふさわしい華やかな応援を目指している。

 応援団に吹奏楽、チアリーダーとなれば卓球界では前代未聞で、逆に集中を欠く可能性もある。同理事は「もちろん選手の要望を聞く。集中力を切らすようなことはしない」と応援方法は柔軟に対応する。それでも太鼓などの鳴り物、300枚程度のそろいのTシャツを用意して、一般客も巻き込んでバレーボールやサッカーのような一体感を生み出すつもり。

 福原は「たくさんの人が応援に来てくれたら、いっそう頑張らないといけない気持ちになる」と話した。早大主体の応援に気合が入らないわけがない。新世代が台頭するコート上だけでなく、観客席にも新たな風が吹き込まれる。【高田文太】