<スキー:世界ノルディック>◇8日目◇26日◇チェコ・リベレツ

 【リベレツ(チェコ)=松末守司】強い複合ニッポンが帰ってきた。小林範仁(26)湊祐介(23=ともに東京美装)加藤大平(24=サッポロノルディックスキーク)渡部暁斗(20=早大)で団体に臨んだ日本が、五輪、世界選手権では7大会14年ぶりに金メダルに輝いた。

 前半ジャンプは5位だったが、後半距離で粘った。ノルウェーなど4カ国でのデッドヒート。最後はドイツと一騎打ちだ。ほぼ同時にゴールしたが、小林の足がほんの少し早かった。かつて「前半逃げ切り」で世界を席巻した日本が、今大会は「後半追い上げ」。小林は「これはみんなの勝利。今日で複合復活が疑いのないものになった」と声を張り上げた。

 距離が苦手の高橋外しが「吉」と出た。今季ルール変更でジャンプは2回から1回に変わり、距離の比重が高くなった。高橋は22日の個人戦で21位。首脳陣は個人戦5位の小林、6位の湊に次ぐメンバーに、33位ながら距離9位の渡部と、上りに強い加藤を選んだ。選手起用がはまった河野孝典ヘッドコーチは「シーズン初めの戦力からは予想してなかった結果」と目を潤ませた。

 4人は前回07年札幌大会で8位と惨敗したメンバーだった。1走の湊が「自分の役目はできるだけ前と縮めて(加藤)大平を楽にさせることだった」と言えば、加藤も「僕はつなぐのが役目」と返した。10年バンクーバー五輪は1年後。新世代の金メダルで、複合ニッポンの「第2章」が幕を開けた。