Qちゃんが、農業に挑戦する。シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さん(37)が16日、都内で会見し、北海道伊達市の農場で、野菜の栽培を始めると発表した。ホテル・旅館業の野口観光(本社、北海道・登別市)が設立した農業生産法人「のぐち北湯沢ファーム」から依頼を受け、快諾した。

 高橋さんは「現役時代から、食に興味があって、体にいいものを食べようとしていた。食の安全、安心を見直して、皆さんにおいしいものを提供したい」と説明。Qファームと名付けられた耕作面積約50万平方メートル(東京ドーム11個分)の農場に月1、2度通い、来春から野菜作りを始める。

 生産する野菜は検討中だが、現地名産のキャベツ、白菜、ナガイモなどが候補。「野菜を使ったプリンも作りたい。今は、試行錯誤しています」と話すなど、今はあらゆるプリンを買い込み、味見しながらアイデアを練っているという。

 すでに現地視察を済ませており、秋には収穫祭を予定。Qちゃんブランドを立ち上げ、販路拡大のプランもある。農場の近くにはクロスカントリーコースや宿舎もあり、ジョギング大会の開催や、大学生や実業団の合宿誘致も視野にある。

 農場側とは単年契約だが、最低3年はかかる有機農産物にも興味を示すなど、本腰を入れる見込み。「時間があれば、飛んでいく。Qの名前が付いているので、責任をもって携わっていきたい」と話した。近年、「ノギャル(農業をするギャル)」なる言葉が生まれるなど、農業のイメージは変わりつつある。Qちゃんの目は、真剣だ。