<福岡国際マラソン>◇6日◇福岡・平和台陸上競技場発着点

 日本勢が入賞の8位以内にも入れなかった。一般参加の下森直(31=安川電機)が2時間14分42秒で9位に入ったのが最高で、唯一の日本人招待選手の佐藤智之(28=旭化成)は両足けいれんで31位に終わった。北京五輪銅メダルのツェガエ・ケベデ(22=エチオピア)が国内レース初の2時間5分台となる2時間5分18秒で2連覇を果たした。

 海外勢との力の差は歴然としていた。7キロ過ぎに先頭が1キロ3分を切るペースになると日本人選手は、先頭集団から姿を消した。日本人選手が1人も8位以内に入れなかったのは第63回で初めて。日本陸連長距離・ロード特別対策委員会の木内敏夫委員長代行は「現実を突きつけられました」と苦い表情を浮かべた。

 今年、2時間10分を切った日本人は佐藤敦之(中国電力)だけ。日本は高速化する世界のマラソンについていけていない。同委員会の坂口泰男子マラソン部長は「いつかはこんな時代が来ると思っていた」。駅伝重視の風潮や、若い選手がマラソンを避けるなど要因はいくつかある。木内氏は「競技日程の見直しもひとつの方法かも」と言うが特効薬はなし。世界との差は開く一方だ。【前田泰子】