<柔道:グランドスラム東京大会>◇2日目◇12日◇東京体育館

 男女5階級を行い、日本人対決となった女子63キロ級決勝では今年の世界選手権を制した上野順恵(26=三井住友海上)が、谷本育実(25)に反則勝ちを収めた。得意の大外刈りを封印して体落としなどで攻めたが決められず、残り1分を切ったところで谷本が4度目の指導を受けての反則勝ち。「うれしくない。もうちょっと思い切り行けば」と表情を曇らせた。

 上野は70キロ級でアテネ、北京五輪を連覇した雅恵(30)の妹で、谷本も同63キロ級で同五輪を連覇した歩実(28)を姉に持つ。昨年の全日本体重別で、上野は歩実に優勢勝ちしたが「谷本と比べて1本勝ちできる技がない」という理由で北京五輪代表には選ばれなかった因縁もある。8月の世界選手権後、練習中に右足首を亜脱臼。テープで固定して出場し、妹育美を破って優勝したが「日本人にはハッキリ勝ちたい」と満足はしていなかった。