今季からアジアリーグアイスホッケーに参入した東北フリーブレイズが16日、ホームの青森・八戸市新井田インドアリンクで年明け初戦に臨んだ。開幕から約4カ月。徐々に地域に根付き始め、観客動員数も少しずつ増えてきた。同市での小中学校訪問など、精力的に地元密着を行っている一方で、市民から宣伝活動の工夫が足りないとの声も…。シーズンは残り9戦。来季への糧にしようと、成長しながら日々、前進する。

 吹雪の中、午前中から開放されたリンクには、一般のスケーターが大勢、詰め掛けた。やはり八戸はスケート人気が高い。そんな市民に少しでも「東北フリーブレイズ」を知ってもらおうと先月、購入したばかりのチームバスを、試合開始5時間前からリンクの外に駐車しアピールしていた。

 試合開始の午後5時。気温も下がり、さらに強く、ふぶいたため、この日は観客が伸び悩んだ。だが年末の日光アイスバックス戦ではチーム最多の976人が集まった。「開幕時は試合に、こぎつけるだけで精いっぱいだった」(佐藤広報)が先月は精力的に、地元へのアピール活動をした。

 小学生へのスケート教室。中学校を訪問し講演会も開いた。商店街活性化のイベントに参加し選手もビラ配りをした。福島・郡山市から昨年8月、八戸市に移り住み選手を指導する荒城啓介監督(35)は「2、3月と積極的に活動していきたい」と、さらなる地元密着を進めていく方針だ。

 アイスホッケーに熱いからこその苦言も聞こえてきた。あるファンは「『八戸時間』を考えないと。こっちは時間を、あまり気にしないで行動しがち。事前に観戦予定を立てず、ぎりぎりで行こうという気になる」と話す。フリーブレイズの宣伝ポスターにはチケットの値段が記載されておらず“とっさの観戦”に市民が対応しにくいと、ファンは話す。佐藤広報も「確かに前売りが伸びないんです。いろいろ改善していかないと」と市民の意見に耳を傾ける。将来は大雪でも定員の1500人が応援に駆けつけるチームにすることが目標だ。【三須一紀】