<ビーチバレー:アジア大会代表選考会兼国内ツアー東京オープン>◇初日◇1日◇東京・お台場海浜公園

 “キャプテン美和”が初の日の丸へ好発進だ!

 新ペアとして国内デビュー戦の浅尾美和、草野歩(ともに24=エスワン)の“浅草”ペアが、初戦で圧勝した。駒田順子(30)本間江梨(29)組に21-15、21-12のストレート勝ち。今年からキャプテンを務める浅尾は、アジア大会(11月・広州)出場権がかかる今大会で、初の日本代表入りに向け最高のスタートを切った。2日の2回戦では楠原千秋(34)三木庸子(33)組と対戦する。

 “浅草”ペアの勝利の声が、晴天の青空に心地よく響いた。「やったー!」。最後は浅尾の柔らかいスパイクが相手コートにぽとりと落ちた。草野が「初戦なので、かしこまらず自分らしく行こうと気を付けた」と言えば、「国内の初戦はいつも緊張するけど、あゆ(草野)が落ち着いていたのでわたしも落ち着けた」と浅尾。息もぴったりで、今季国内初お披露目は約40分の快勝だ。

 攻撃ではライトとレフト、守備でもブロッカーとレシーバーという役割分担を決めず、縦横無尽にコートを動き回った。持ち味の浅尾のスピードと草野のパワーもかみ合った。浅尾は昨年までの西堀とのコンビではレシーバー。この日は「何年ぶりかにブロックに出た。もっと磨かないと」と、新たなシステムにもやる気満々だ。

 今年から浅尾がキャプテンを務める。試合前のコイントスや打ち合わせなどが役割。昨年までは西堀に任せっきりだった。インドアでプレーしていた津商高3年以来のキャプテンで、当時はチームを高校総体16強に導いた。4月20日のブラジルオープン予選でビーチのキャプテンデビューで「片言の英語で大変だった」。この日は、国内初のキャプテンで勝利に導いた。

 今大会はアジア大会の代表選考も兼ねる。浅尾は、過去、インドア時代も含め日の丸を背負ったことが1度もない。草野も、08年ビーチバレーのユニバーシアード大会に日体大時代に代表で出場したが、総合大会は経験がない。「オリンピックに次ぐ大会だし、経験してみたい」と2人は意欲満々だ。

 09年12月に12年ロンドン五輪を目指すために、浅尾は西堀、草野は尾崎という長年連れ添った相棒とペアを解消。新ペアを結成した。アジア大会自体は、ロンドン五輪出場に直接の関係はないが、初の日の丸は、五輪に向けた経験として大きい。「いつも、今日のように戦えば勝ちがついてくる」(浅尾)。キャプテン美和が、初の日の丸まで最短残り2勝だ。【吉松忠弘】