2006年トリノ五輪、10年バンクーバー五輪代表で、“マリリン”の愛称で親しまれているカーリング女子の本橋麻里(24=NTTラーニングシステムズ)が、チーム青森を離れて、首都圏に新チームを発足することが13日、分かった。メンバーやスタッフもほぼ固まり、16日に都内で会見を開く。バンクーバー五輪後、現役続行を明言しながら、所属チームに関しては白紙としていた本橋が、自らがチームリーダーを務める“チームマリリン”を結成し、14年ソチ五輪を見据えてスタートする。

 14年ソチ五輪に向けて、「チームマリリン」が誕生する。関係者によると新チームは5人体制で、すでにメンバーも固まっており「日本選手権優勝を狙えるチーム」という。4月に解散したライバルだったチーム長野から数人が加入し、長野を拠点とする城西大カーリングチームからも、将来を見据えて新たな選手が加入する予定。

 すでにコーチとトレーナーも3人が決まっている。メンバーも6人目の加入候補選手の名前が挙がっており、チーム結成から順調な船出となりそうだ。関係者が「時間はあるようで、ない。初めから日本のトップの選手でないとできない」と話すように、ソチ五輪出場を見据え、ほとんどのメンバーが即戦力になる。

 チーム名はチーム青森のような地域名を入れるのではなく、オリジナルとなるようだ。本橋は常呂中時代に、自らが主将でスキップの「マリリンズ」を結成していた。日本ジュニアカーリング選手権を制した経験を持つ。常呂高進学後に解散したが、本橋をリーダーとする新チームは「新生マリリンズ」と言ってもいいだろう。

 本橋は05年4月、青森明の星短大に入学と同時にチーム青森に加入した。5年間で2度の五輪を含む数々の世界舞台を経験。今年3月のバンクーバー五輪後は「カーリングは続けるが、チームは分からない。ただソチ五輪は目指します」と現役続行を表明したが、所属チームについては明言を避けていた。その裏で新チーム結成に向けて精力的に動いていた。

 当初は出身地の北海道でのチーム結成も考えた。引退したトリノ五輪の主力、小野寺(現姓小笠原)歩、林(現姓船山)弓枝が現役復帰予定で、再び同じチームで戦うという話もあった。しかし、最終的に拠点は関東近辺に落ち着いた。

 所属のNTTラーニングシステムズが、スポンサーの1つとしてチームを全面バックアップすることも決まっている。関係者によると「これまでの日本のチームの常識を覆すような独創的なチームになる」と話す。本橋は16日に都内で会見を開き、新チームについて自ら説明する。