バンクーバー五輪銀メダリストで世界選手権女王の浅田真央(中京大)が14年ソチ五輪に向けた再スタートの20歳シーズンへ、身も心も大人になる。3日、都内のテレビ朝日本社でグランプリ(GP)シリーズとGPファイナルに向けた記者会見が行われ、会見後に日刊スポーツなどの独占インタビューに応じた。4年後を見据えてのジャンプ改造も最高2カ年計画を決意。恋愛を意識して演技するなど、成熟したスケーターへ1歩踏み出す。

 浅田は、20歳シーズンへのはっきりとしたイメージを持っていた。五輪後、苦手だったルッツなどのジャンプも取り組むことを決意した。改造途中の2日のジャパンオープンはミスを連発。理想像を追うためには必要な試練だった。

 浅田

 理想は初めて(05年の)GPシリーズに出たころ。小さかった体形も合っていた。他の部分は今より下手くそだなと思うけど、ジャンプは今より高さもあった。その時のジャンプを少しでも思い出せるようにしたい。練習では手応えが出てきたけど、まだまだ完成じゃない。半年、1年、2年ぐらいかけてやっていかないと、思い出して安定してはできないと思う。

 武器となるジャンプは最長2年をかけて仕上げる覚悟だ。だが今季のフリー曲「愛の夢」は、そのままの自分で演じればいい。浅田も他の若き女性のように、恋を夢見ている。

 浅田

 10代までは子供だから我慢していた部分もあった。でもたまにはメークしたり、夜景の見えるレストランでご飯をゆっくり食べたい。相手?

 欲しいですけど、いないです。今年のフリー曲は愛の夢を持つことだから、恋愛は想像でもいいかな。理想の男性像?

 姉が言う「背が高くて面白くて格好いい人」もそうですが、料理ができる人がいい。おいしい料理を作ってくれて「食べて」と言う人がいい。自分でも最近は自炊しますよ。得意なのはカボチャの煮物です。

 成長するにつれ、食生活も変わってきた。

 浅田

 昔は焼き肉屋に行くと、お肉だけ。野菜は食べなかった。ジャンプの源は肉?

 あと、お菓子(笑い)。サラダも食べられなかったし、食べるのはトウモロコシぐらい。でも2、3年前からいろんな野菜を食べるようになった。自分でバランスよく考えながら食べるのが楽しくなって。秋はクリがいい。クリは野菜じゃない?

 でもクリは足の疲れを取るんですよ。

 9月25日に誕生日を迎えた。今季への意気込みを語る姿は、幼さが抜け、大人びてきた。

 浅田

 20歳の新しいシーズン、五輪が終わって一区切りのシーズン、新しいコーチが決まってのシーズン、すべてが新しいスタートだと思う。(取材・構成、広重竜太郎)