カーリング女子の日本代表として02年ソルトレークシティー五輪、06年トリノ五輪で活躍した小笠原(旧姓小野寺)歩さん(31)が、今季中にも現役復帰することが6日、分かった。トリノ五輪出場後、結婚を機に第一線から退いたが、年内にも北海道カーリング協会に選手登録する予定。すでに元五輪代表らメンバー3人を集め、新チームを結成する見込みで、14年ソチ五輪の日本代表争いに名乗りを上げる。

 群雄割拠の日本女子カーリング界に、元祖「カー娘」が参戦する。小笠原さんは06年の引退後、カーリングの普及を目的にミックスダブルスの大会に出場するなど、趣味程度の活動を続けてきた。同時に現役復帰への意欲を度々、口にしていたが、競技に専念する環境が整ったこともあり、4年後のソチ五輪出場を見据えて本格的な復帰を決意した。

 14年ソチ五輪を目指すためには、日本選手権など主要大会に参加して実績を積み上げなければならず、遅くても来季の大会参加が必須条件だった。そのためには、今季中から新チームとしての練習や実戦経験が重要。小笠原さんは主婦だが、やるからには本腰を入れて活動したいという意向もあり、今季中の現役復帰に踏み切る構えだ。

 すでに準備を着々と進めている。既存チームへ加入する考えはなく、新チームの結成へ水面下で動いていた。年内にも北海道カーリング協会に選手登録する予定。ほかのメンバーはソルトレークシティー五輪代表や故郷の常呂町出身者らが有力で、いずれも加入の承諾を得ている状況。国内トップレベルの選手たちが、顔をそろえることになりそうだ。北海道カーリング協会も小笠原さんの復帰は織り込み済みで、その際の支援態勢なども内部で協議している。

 活動場所は現在居住する札幌のほか、故郷の常呂町など北海道内を拠点にする。バンクーバー五輪代表の本橋麻里(24=NTTラーニングシステムズ)が新チーム「ロコ・ソラーレ」を立ち上げたばかり。具体的な復帰時期は未定だが、同じ北海道を拠点に活動するため、来年1月の北海道選手権などで「チーム青森」の元メンバー同士が直接対決する可能性もある。小笠原さんはトリノ五輪でスキップ(主将)を務め、実力も折り紙付き。同じくソチ五輪を目指すマリリンらの強力なライバルとなりそうだ。