<競泳:短水路W杯第7戦東京大会>◇7日◇東京辰巳国際水泳場

 男子200メートル平泳ぎ(長水路)の世界記録保持者・山口観弘(18=志布志DC)が、半年ぶりにトップの座を譲った。男子100メートル平泳ぎで前半出遅れ、グレン・スナイダーズ(25=ニュージーランド)に次ぐ2位。58秒22で瀬戸大也(18)の持つ高校記録こそ更新したものの、公式レースでは5月のジャパンオープン以来となる2位に終わった。

 得意の追い込みも、短水路では届かなかった。山口はスタート後の浮き上がりからスナイダーズにリードを許し、50メートルのターンも0秒54差をつけられた。泳ぎで差を詰めても、ターンで再び離される。結局、0秒24届かずゴール。「すべてにおいて1番にならないと気が済まない。そこが、僕の売りですから」。久しぶりに表彰台で優勝者を見上げ、悔しそうに言った。

 4月の日本選手権で敗れてロンドン五輪出場を逃したが、すぐに4年後に気持ちを切り替えた。5月のジャパンオープンで五輪代表の立石に負けた後、国内外で連戦連勝。常に2位をぶっちぎってきた。しかし、9月の国体で世界記録を樹立してからは練習量が減って筋力も落ちた。この日もパワー不足が明らかで「これじゃダメ」と反省した。

 負けても落ち込まず、逆にバネにするのが瀬戸や萩野ら「高3トリオ」に共通する気持ちの強さ。「勝ち続けるために、負けることも必要。これがオリンピックでなくてよかった」と、強気に言い放った。12月には、瀬戸や萩野らと世界短水路選手権(イスタンブール)に出場する。「世界記録を意識して、勝負したい」。再び表彰台の頂点を目指して、山口は言った。【荻島弘一】