フィギュアスケートのペアで昨季世界選手権銅メダルの高橋成美(20=木下ク)マービン・トラン(22=カナダ)組が18日、日本スケート連盟を通じてコンビ解消を発表した。同大会で五輪も含めてペア初の表彰台に上がっていた。

 高橋は「近年、競技に対する考えの食い違いからすれ違うようになり、大好きなスケートを継続する積極的な気持ちから、ペアを解消する決心をした」と談話。五輪出場へ必要なトランの日本国籍取得が困難な状況だが、関係者は「それは理由ではない」とした。

 この決断で、ソチ五輪から採用される団体戦の表彰台が厳しくなった。日本人の男性選手を新パートナーとして模索するが、人材は欠乏。見つかったとしても、急造ペアでは五輪切符も危うい。出場20枠中16枠が決まる来年3月の世界選手権は欠場し、残り4枠を争う五輪最終予選の9月ネーベルホルン杯(ドイツ)を目標に置くが、道は険しい。団体戦は全4種目のうち最低3種目に出場すればよいが、それではメダル争いに加われない。

 高橋は現在、10月下旬に手術した左肩と右ひざのリハビリを日本で続け、来年2月の復帰を目指している。7日からソチで開催されたGPファイナルを志願して現地観戦し、五輪への意欲も燃やしていた。【阿部健吾】

 ◆ソチ五輪のフィギュア団体戦

 10カ国が出場し、男女シングル、ペア、アイスダンス各1組ずつ4種目6人で争う。各種目優勝者に10点、2位に9点…と与えられ、各国の合計点で競う。各SP終了時の上位5カ国がフリーに進む。出場者は各種目で五輪出場を決めている選手になる。各種目の出場枠は13年世界選手権で約8割(男女シングルは30枠中24枠、ペアは20枠中16枠、アイスダンスは24枠中19枠)が決まり、残る枠は同年9月ネーベルホルン杯で争う。