日本レスリング協会は22日、都内で臨時理事会を開き、20年夏季五輪から除外候補になった問題について、話し合いの場を持った。今後の対策の「第1弾」として、署名活動を決定。福田富昭会長(71)は「いま米国ではすでに始まっていて、1週間で8万人くらい集まった。できれば(日本でも)10万人くらいを集めたい」と述べた。

 デジタル、アナログ方式混合で存続への声を集める。米企業運営の署名サイト「change・org(チェンジ・オーグ)」日本語版を活用し、協会のホームページから署名可能にする。さらに簡易投稿サイト「ツイッター」なども活用。アナログ方式では、各大会などで署名用紙へ直接記入してもらう活動も行う。

 目標数字について、同会長は「100万人でも集まればいいが、そうもいかない」と説明した。国内の競技人口は1万人弱。さらに、国内では同じく20年五輪で採用を目指す野球・ソフトボール、空手など他競技との兼ね合いもある。ロシアではプーチン大統領がレスリング存続への協力を表明したが、日本では国が単一競技を“後押し”するのは困難。同会長は「仕方がない」と安倍首相らの支援は難しいと明かした。

 署名は週明けの25日から開始し、採用競技が絞り込まれる5月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会まで募る。世界で100万人を集めるのが目標だ。レスリング界の国際的な連携が求められるなか、日本のできる範囲内で、第2弾、第3弾と対策を練るしかない。【阿部健吾】

 [2013年2月23日8時33分

 紙面から]日刊スポーツのオススメ