<体操:豊田国際競技会>◇14日◇愛知県・豊田市総合体育館

 白井が進学資金をゲット!?

 男子の床運動では世界選手権金メダルの白井健三(17=岸根高)が新技「シライ」と「シライ2」を決め、16・325点で優勝した。演技前には、優れたアマチュア選手に贈られる中日体育賞の贈呈式に臨み、副賞の100万円をゲット。床運動の優勝賞金20万円と合わせて1日で計120万円の“臨時収入”を得た。

 お金は白井を狂わせ…なかった。開会式直後、白井が受賞した中日体育賞の贈呈式が行われた。表彰状、トロフィーの贈呈が終わり「副賞100万円の目録です」というアナウンスが流れると、観客席はざわめいた。表情を変えなかった白井は、約25分後の床運動の演技をほぼ完璧に決め、優勝賞金20万円もゲット。1日で計120万円を手にしたことになるが「買いたいものがない。飲み物とかしか買わないし…」と、堅実な一面を見せた。

 来年には日本体操協会から今秋の世界選手権の成績をたたえて報奨金が出る予定。規定では50万円だが、協会関係者によれば日本人最年少での金メダル獲得などが考慮され、50万円以上となる見込みだ。最近買ったものはユニクロのパーカで、1万円以上の買い物はゲーム機ぐらい。「(お金を)使う趣味を見つけたい。大学生はお金がかかるからためます」と、無駄遣いの心配はなさそうだ。

 世界選手権以来2カ月ぶりの大会は、同選手権と同じ演技構成で臨んだ。「シライ2(前方伸身宙返り3回ひねり)」の着地を小さく前に1歩出て止めると、最後の「シライ(後方伸身宙返り4回ひねり)」はピタリと決めた。11月末に腰痛が悪化し、調整不足だっただけに「その中で決められたことは、1段階成長したと思う」と手応えをつかんでいた。【保坂恭子】