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水泳代表に異例の「選手権水質調査隊」

 水泳日本代表に、異例の「選手兼水質調査隊」が誕生した。来夏の北京五輪でのメダルラッシュが期待される、同代表の上野広治監督(48)が14日、現地の水質チェックを厳重に行う計画を明かした。五輪本番で使用するプールは現在建設中で、大気汚染などの影響で悪化が懸念される水質は未確認状態。水が体内に入り、体調を崩す可能性もある。北京プレ大会(来年1月31日~2月5日)は医師帯同の厳戒態勢で臨み、出場選手の体調の変化にも気を配る。

 北京プレ大会に出場する10選手が、文字通り体を張る。五輪のため現地入りするまでに、日本人が本番で使用するプールを泳ぐ機会は、同大会が最初で最後。本来ならメダル候補を大挙参加させたいところだが、現地の水質は未確認。上野監督は「何かあってからでは遅いから、トップの選手は大幅に外した」と、体調を崩すことを懸念して苦渋の決断をした。

 一方で主要選手が少数の大会では異例の医師帯同。出場選手のわずかな体調の変化も見逃さず、本番で対応するためのデータを収集する。

 本番まで約半年の大事な時期にあって、同大会の出場はギャンブルだ。だがともに大学3年の新鋭で、女子平泳ぎメダル候補の田村菜々香と種田恵が出場に名乗りを上げた。極限状態で息継ぎすれば、自然と水が口に入ってくるが、実力で劣る選手だけではデータとして物足りない。上野監督は「彼女たちには期待している。実際に泳いだ感想もほかの選手たちに伝えてほしい」と感謝し、北島らの活躍につなげたい考えだ。

 また来年1月17日からの日本オリンピック委員会の視察に、上野監督が帯同することも決まった。同監督は「グビグビ飲むことはできないから、ペットボトルを持っていこうと思っている」と、プールの水をくんで日本に持ち帰り、専門家に検査依頼を考えている。

 北京は近年の急速な経済成長で、大気汚染など環境問題が起きている。ソフトボール日本代表をはじめ、各国が直前まで現地入りを避けているのが現状だ。日本協会関係者も「原因がプールの水とは断定できないが、インドなどで集団で下痢になったケースは山ほどある」と、苦い思い出を振り返る。プレ大会で選手に異変が起きた場合は「可能なら水質改善を要望する」(上野監督)。前回アテネ大会の計8個のメダル超えへ、戦いは始まっている。【高田文太】

[2007年11月15日9時39分 紙面から]

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