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清宮サントリー初V/ラグビー
- フィフティーンに胴上げされる清宮監督(撮影・栗山尚久)
<ラグビートップリーグプレーオフ・マイクロソフト杯:サントリー14-10三洋電機>◇決勝◇24日◇東京・秩父宮ラグビー場
サントリー(リーグ戦2位)が三洋電機(同1位)に14-10で競り勝ち、リーグ創設5シーズン目で初優勝を遂げた。自信を持つFW戦を挑み、ラインアウトやモールを支配。7-10で折り返した後半20分、WTB小野沢宏時(29)のトライで逆転した。02年度に早大を13年ぶりの大学日本一に導いた清宮克幸監督(40)が、就任2年目で02年度全国社会人大会以来のタイトルをもたらした。三洋電機は開幕からの連勝が14でストップした。
サントリーの清宮監督が3度、宙に舞った。昨季決勝で東芝にロスタイム逆転負けした無念を晴らす歓喜の胴上げ。目が潤んでいるようだった。優勝会見ではこう言った。「自分たちのラグビーをして、いいラグビーをという三洋とは違い、うちは去年の負けをみんなが共有し、本当に勝ちたいと思った。そのこだわりの差です」。
今季「ファイナルラグビー」を掲げてスタートした。ファイナル=決勝、最後に力を出せる人間になろうという意識。それが結実した。強風の中、コイントスに勝って、あえて風下を選択して後半勝負に出た。主将のWTB山下が「前半は耐えるプラン。3点差は上出来です」と言うように、シナリオ通りの展開だった。後半20分、ラインアウトから直接BK陣に回すサインプレーで小野沢がゴール真下に飛び込み、勝利をたぐり寄せた。
プレーオフMVPの小野沢は「あのトライもFWがしっかり圧力をかけ続けていたから。練習から、どの局面で何を使うか絞り込んでやっている」と誇らしげだ。清宮監督はこの1年、状況に応じたプレーの選択、判断力を選手に求めてきた。昨季決勝前は「どういう試合になるか全く見えず、不安だった」と話し、「今季は完全な自信を持って臨んだ」。そのよりどころは強いFWにある。
早大を大学王者に復活させ、今度はトップリーグが始まってから低迷していたサントリーを再建した。「頂点に立った味は?」との質問に、「ひとまず自分の仕事が達成できたという小さな満足感がある」と答えた。サントリー監督に就任する時、会社を辞めた。契約も単年。帰るところを自らなくした。不退転の決意だった。日本選手権は3月8日の準決勝から登場。清宮サントリーが日本ラグビーの主役に躍り出る。【三角和男】
[2008年2月25日9時46分 紙面から]
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