19年ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の開幕まで20日で1年となった。W杯で4試合を行う東大阪市の花園ラグビー場が、17年2月からの改修工事を終えてお披露目された。高校ラグビーの全国大会も開催する聖地の新しい姿に、野田義和市長(61)は「『花園から世界へ』の思いを、新たにしております」と総工費72億6000万円の事業の重みをかみしめた。

1929年開場の花園が、劇的に生まれ変わった。ゴルフ練習場の名残があった北側にはスタンドが新設され、スコアボードは大型ビジョンに切り替わった。客席の長いすは全席セパレートタイプになり、鮮やかなオレンジや青で統一。「長いすの時は横30センチで1人の計算だった」(担当者)ため、収容人数は約3万人から2万6544人(20日時点)に減ったものの、快適な観戦が保証される。

10月26日にはオープニングマッチとして日本代表-世界選抜を開催。新設の照明設備を早速活用し、午後7時キックオフで行われる。選手がスパイクで歩く場内の通路には特殊素材を用い、転ばないように配慮するなど「選手ファースト」の改修箇所も多々。19年W杯は注目のアルゼンチン-トンガなど、4試合が行われる。野田市長は「この場所で汗を流し、ぶつかり合い、走る。感動がある」と1年後を待ちわびた。【松本航】