7年連続同カードとなった南北海道は札幌山の手が函館ラサールを下し、2年ぶりに王座を奪還し、17度目の全国出場を決めた。12月27日に開幕する全国大会(大阪・花園)に出場する。

札幌山の手が2年ぶりに王座を奪還した。5-7の前半18分、ゴール前5メートルのスクラムから高校日本代表候補のロック、シンクル寛造(3年)がトライを奪うと、その後も得点を重ねて50-14と圧倒した。繁松秀太主将(3年)は「前に出てアタックしていったのが勝ちにつながった」と喜んだ。

昨年決勝は主力FW3人をケガで欠いた。その1人シンクルは「出られなくて悔しかった」と振り返る。佐藤幹夫監督(57)は「(それまでは)根性ラグビーだったが、考え直した」。練習量を維持しながら、コンディションを重視し、メニューに幅を持たせた。外部トレーナーを招き、今大会は離脱者ゼロ。試合前にベンチ入り選手にかけた「清めの塩」の効果があった。

02年から始めたニュージーランド留学を継続。この日のベンチ入り5選手が異国の地でホームステイしながら、能動的な世界一のラグビーを学び、チームに還元した。

FW陣の平均体重は92キロ。「全国でも通用する」(同監督)体に仕上げた。繁松主将は「今までは2回戦で勝てていない。シード校を倒すのが目標」。改革と踏襲で成長したフィフティーンが花園に挑む。【浅水友輝】