ラグビーのトップリーグ(TL)兼日本選手権決勝の神戸製鋼-サントリーは明日15日、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。神戸製鋼の元ニュージーランド代表SOダン・カーター(36)は13日、神戸市内で調整。サントリーの元オーストラリア代表SOマット・ギタウ(36)を「キーマン」と警戒。世界的SO対決を制し、TLでは創設元年03年以来15季ぶり、日本選手権では00年度以来18大会ぶりの優勝を手にするつもりだ。

15人同士の戦いだが、警戒すべき個人は頭にある。カーターは相手のSOギタウの印象を語った。「サントリーのキーマン、ワールドレベルのプレーヤー。アタック、特にラインブレークのところを気をつけたい」。

輝かしいキャリアの中でも「オールブラックス初キャップ」とともに1、2の思い出として明かすのがニュージーランド代表の「15年ワールドカップ優勝」。その決勝戦をはじめ、オーストラリア代表だったギタウと何度もしのぎを削った。9月14日のリーグ戦は36-20で勝ったが、3カ月前の結果をプラス要素に解釈するほど、世界的SOは甘くない。

頂点に立ちたい。トップリーグのデビューイヤーでつかんだ好機だ。「みんな自信をつけた。春は新しいプラン、スキルに慣れていなかったが、今は違う」と仲間の成長を実感。一方「みんなハードワークをいとわない。練習後に、会社で仕事をする選手がいる」と言い、仲間から勤勉さをあらためて学んだ。

今季、神戸製鋼コベルコスティーラーズが新たな歴史を刻もうと掲げた言葉は「スティールワーカーを目指す」。きつさから逃げない男の1人として世界的SO対決を制し、チームを優勝に導く。【加藤裕一】