今季最終戦に勝ち、指揮官の花道を飾った。ヤマハ発動機は豊田自動織機を逆転で下し、リーグ戦3位、カップ戦11位が決定。清宮克幸監督(51)が率いる最後のシーズンを終えた。

試合後、円陣の中で選手たちに「記憶に残る試合となった。ナイスゲーム」と笑った清宮監督は、チームを指揮した8年と同じ回数だけ、胴上げで宙を舞った。「取っていないタイトルもあるし、もっとできることもあったと思うが、ヤマハでの8年は充実したものだった」と振り返った。

選手たちも清宮監督が築き上げたものを見せつけた。後半40分、自陣右サイド際でヤマハはスクラムを得た。ボールをしっかりキープし、最後はSHがタッチラインの外に蹴り出した。清宮監督は就任以降、前FWコーチの長谷川慎氏(46=現日本代表スクラムコーチ)と一緒に、セットプレーにこだわりを持つチームを作り上げ、強豪に押し上げた。スクラムで最後の指揮を終え、「良いシナリオライターがいるなと思いました」と目を細めた。

「ヤマハが好きです。良い仲間と出会えました」と感謝を述べ、グラウンドを後にした。今後の去就については語らなかったが、自身の理想とするラグビーを追求していくことになりそうだ。【大野祥一】