サンウルブズがレッズ(オーストラリア)に31-34で競り負け、今季2勝目を逃した。前半は速いテンポから3トライを奪い、21-5とリード。だが、後半に4トライ返されると、終了間際に勝ち越しPGを決められ敗れた。

後半5分からは、W杯日本代表候補で、昨年7月に同僚との暴行トラブルを起こしたNO8アマナキ・レレイ・マフィ(29=NTTコム)がサンウルブズデビュー。持ち味の突破力でトライを演出するなど存在感を示し、今後のさらなる活躍を誓った。

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マフィの見せ場は、7分間に3トライを奪われ、逆転を許した直後の後半29分だった。敵陣でボールを持つと、相手防御を強引に崩し、前進。止められても、1度ボールを離し、再び立ち上がってさらに前へ。スペースをこじ開ける持ち味のプレーで、一時は再びリードを奪うSH内田のトライ(ゴール)を演出した。

終了間際の逆転負けも、15年W杯で日本の歴史的3勝に貢献した実力を合流初戦からアピール。後半5分にピッチに立った瞬間にはファンからの大歓声にも迎えられ「感動した。終わった瞬間に泣きそうになった」とプレーできる喜びをかみしめるように言った。

昨年7月、レベルズ(オーストラリア)の同僚選手を暴行した疑いで一時身柄を拘束され、自宅謹慎などを経て、11月の国内での試合から実戦に復帰。今月4日付でW杯日本大会に向けた日本代表候補合宿に追加招集され、直後にサンウルブズに合流した。

体力面などの課題も認め、自己評価は「100点中1点」。それでも、半年後にW杯開幕が迫る中、「世界一」と語るスーパーラグビーの舞台に戻ったことは大きな意味を持つ。次戦は、23日にシンガポールで行われるライオンズ(南アフリカ)戦。「チャンスをもらえたので、生かしたい。まだまだ、これから」と力を込めた。【奥山将志】