「夜型」準備で史上初の8強に突き進む。ラグビー日本代表の強化合宿が10日に宮崎市内で始まり、けが人やスーパーラグビー参戦中の選手を除く36人が初日から3部練習をこなした。ワールドカップ(W杯)開幕まで12日で残り100日となり、今合宿では、現体制で初めて夜にスクラム練習を導入。4戦中3試合がナイターのW杯本番を見据え、本格的な対策にも着手し始めた。

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昨年11月以来の「JAPAN」の練習着に、選手の表情にも熱がこもった。タックル練習では、ほぼ100%の強度で体をぶつけ、防御の連係を入念に確認。前日のチームミーティングで掲げられた「自分たちの刀を研ぎ澄ませていく」という言葉通り、7月からの、フィジー、トンガ、米国と対戦するパシフィック・ネーションズカップに向け、ギアを上げていく。

ジョセフ・ヘッドコーチが「新たな試み」と今合宿で導入したのが、午後7時半から始まるスクラム練習だ。W杯は、午後4時15分開始のアイルランド戦を除き、1次リーグ3試合が7時半以降のキックオフ。夜の湿度や照明などに慣れることに加え、早朝の練習を避けることで良質な睡眠を確保する狙いもある。

スクラム練習はこれまで時間の確保が難しかったが、19日までの第1クールでは、4日間で約1時間を確保。16年秋から指導する長谷川慎コーチは「システムはもう、全員が理解している。ここからはスクラムのフィットネスがテーマ」と説明。試合以上に負荷をかけた8対10のメニューなども取り入れ“日本式”のスクラムを磨き上げていく。

本番まで節目の100日を前に、3度目のW杯を目指すフッカー堀江は「ここからは1秒、1秒、1回ずつの練習が重要になってくる」と言葉に力を込めた。7月17日まで続く宮崎合宿で、再び世界を驚かせるための盤石な土台を築いていく。【奥山将志】