今大会の「死の組」C組の戦いが幕を開け、フランスがアルゼンチンとの強豪国対決を23-21で制した。

20-3としてから後半に1度は逆転されるも、SOカミーユ・ロペス(30)の鮮やかなドロップゴールで競り勝った。次回23年W杯のホスト国が、前回大会で失った威信を取り戻す第1歩を踏み出した。

D組のオーストラリアは39-21でフィジーに完勝した。

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フランスが激戦を制した。前半終了時で17点差をつけるも、後半は大苦戦。1点も奪えないまま28分に逆転された。漂った暗雲を払ったのは途中出場のSOロペス。直後の29分、攻め込んだFW陣の後方に立ってパスを受けると、約25メートルからドロップゴール。難しいキックを成功させ再び逆転した。

2点リードの試合終了間際39分には、死にものぐるいのアルゼンチンに対し中央付近でたまらず反則。約50メートルのPGを決められれば逆転負けだったが、失敗で辛くも逃げ切った。試合終了後には両者がもみ合いになり、スタジアムが騒然となった。興奮冷めやらぬ接戦だった。

日本が躍進した15年W杯は、フランスにとって屈辱だった。準々決勝でニュージーランド代表に13-62で大敗。レキップ紙のバードット記者は「日本の『ブルームフォンテーンの悲劇』のようだった」と振り返った。大会後の2年間で、国内ではラグビーで死亡事故が複数発生。サッカーが18年W杯で優勝する一方、人気にも陰りが見えた。

23年にW杯を迎えることもあり、今大会はラグビーの威信を取り戻すチャンス。ブルネル監督は「まだ足りない部分もあるが、満足している」と前を向いた。ベスト8への切符は2枚のみ。優勝候補イングランド、ダークホースと目される米国、荒々しく押しまくるトンガ。激戦必至の組で、フランスが力強く歩み出した。【岡崎悠利】