15年イングランド大会で日本を率いたエディー・ジョーンズ氏(59)が監督を務めるイングランド(世界ランク3位)がトンガ(同15位)に35-3で快勝した。

前回大会、開催国として初めて1次リーグで敗退し、雪辱として挑む今大会。オーストラリア人のジョーンズ監督は、イングランド史上初の外国人監督としてラグビー母国の期待を一身に背負い、好スタートを切った。

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慣れ親しんだ日本で、ジョーンズ監督が着実に結果を残した。FW、BK陣がともに機能。CTBツイランギが前半23、30分と立て続けにトライした。後半16分、今度はFW。相手陣インゴールまで7メートルほどの位置で。フッカーのジョージがラインアウトモールから一気にトライ。ゴールも成功し、28-3と突き放した。試合終了間際に4トライ目を奪い、ボーナスポイントも手に入れた。

ラグビー以外の部分でも入念に準備した。ラグビー先進国ではない日本での開催。いつもと違う環境に慣れるため、約2カ月前から1週間に1時間、日本語の勉強を行ってきた。日本文化に慣れリラックスを生み、平常心で初戦に臨めた。

7月には英国のサッカー名門、マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン元監督をチームに呼び、講演を受けた。「最後まで辛抱強く」というメッセージを受け、まさに4トライ目で体現した。

ジョーンズ監督は日本語で「すばらしい試合」と笑った。日本でのW杯について「札幌の人たちに感謝している。日本でのW杯は特別なこと」と幸せをかみしめた。03年以来2度目の優勝をつかみ取れるか。15年まで住んでいた“第2の故郷”が利点になる可能性は大いにある。【三須一紀】