5日に日本と対戦するサモアが、急きょ練習を中止した。

1日は合宿地の兵庫・淡路佐野運動公園で午前10時から調整を予定していたが、グラウンドには誰も現れず。同時刻に練習場から車で約30分の宿舎ホテルで取材対応したものの、急な予定変更で、2社4人しか会見に間に合わなかった。

会見場に現れたロジャース・アシスタントコーチは日本語で「ゴメン、ゴメン」と笑顔で謝罪。前日9月30日に0-34と大敗したスコットランド戦で選手の疲労はピークのため、2日まで2日連続で練習はしない方針だという。日本戦までは中4日。初戦(9月24日)のロシア戦で危険なタックルをしたとして既にCTBリーロと、フッカーのマトゥウが3試合の出場停止。スコットランド戦で退場になったWTBフィドウも出場停止処分が下される可能性が高い。けが人も抱えており、台所事情は火の車だ。

スコットランド戦が行われた兵庫・御崎公園球技場は、周辺住宅への騒音対策などで開閉式の屋根が閉められ、まるで蒸し風呂のように暑かった。NO8ジャック・ラム主将は「ボールが滑りやすくて、まるでせっけんでパスを回しているようだった」と振り返ったほど。

それでも、同コーチは言い訳はせず「開催国と試合ができるのは素晴らしいことだ」と語り「日本はスクラムが強くなったし、バックラインはすごくタフ。2人のWTBはとても速い」と日本をべた褒めした。

会見に同席したチームスタッフは「明日もミーティングだけ。取材に来ても、練習は見られないよ。ところで君は、ラグビーをしたことはあるのかい?」とニヤリ。現在は1勝1敗でA組4位。日本に敗れれば1次リーグ突破は絶望的になる。それでも、ロジャース・コーチは、会見場からの去り際に「体が回復さえすれば、我々にもチャンスはある」とVサイン。日本にとっては、不気味な存在だ。