プロップ稲垣啓太(29=パナソニック)が、代表33キャップ目で初トライを決めた。

前半25分、敵陣正面でフランカーのラブスカフニからFBトゥポウとつないで、最後は稲垣がゴール下に飛び込んだ。「何千回に1回のトライ。代表に入って7年間で初めてで、最高の舞台で一番良いトライをさせてもらった。みんなに感謝したい」と、初体験を振り返った。

アイルランド戦では男泣きしたが、この日は表情を変えず歴史的勝利を喜んだ。「4年間やってきたことが、W杯の舞台で出来ている。大会期間中に全員のパフォーマンスが上がっていてチームの一体感を感じるし、確実に成長している」。準々決勝は15年大会で歴史的勝利を挙げ、9月のテストマッチで敗れた因縁の南アフリカだ。「もっと、もっと良い景色を見たいし、日本中の方に見てもらいたい」と、寡黙な仕事人は前だけを向いた。