東福岡が筑紫を「完封」して、全国高校ラグビー(12月27日開幕、花園ラグビー場)に20年連続30回目の出場を決めた。

東福岡が試合開始からエンジンを全開にした。キックオフからのノーホイッスルトライで先制すると、前半で5トライ。後半も4トライを挙げる圧勝だった。さらに決勝で初めて筑紫を0点に抑えての完勝でもあった。それでも藤田雄一郎監督(47)は「先制トライ後のミスで相手にトライ寸前までもっていかれた。あそこはしっかり反省して全国までに修正していきたい」と気を引き締めていた。

4月の選抜大会で桐蔭学園(神奈川)に10トライを奪われ、21-67の大敗を喫した。チーム大会ワースト失点で藤田監督も「こんなスコアは初めて」という屈辱からスタートした。「いかにディフェンスを向上させるか」。CTB広瀬雄也主将(3年)も「この1年間はコンタクト練習が週1回から週2、3回に増えた」と守備のレベルアップを目指してきた。

さらにワールドカップ(W杯)の刺激もあった。広瀬主将は「準決勝でニュージーランドに勝ったイングランドの守備はすごかった。タックルの激しさと詰めのすごい守備は見習いたいと思った」。2週間前には、OBで日本代表歴のある布巻峻介(27=パナソニック)がコーチングをしてくれた。藤田監督は「ガンガン体を当てるのが東福岡のラグビーだというのを選手に思い出させてくれた」と話し、広瀬主将も「強いコンタクトを教えてくれた」とこの日の無失点につなげた。

16年に6度目の全国優勝を果たして以来、2大会連続して4強止まり。「(決勝予定の)来年1月7日を目指すが、守備がまだまだ」と藤田監督。雪辱からはい上がった東福岡がリベンジをかけて花園に乗り込む。【浦田由紀夫】