早大ラグビー部の監督人事をめぐって、OB会と学生側の意見の相違が表面化した。同部は9日、東京・新宿区の同大キャンパスで予餞(よせん)会(納会)を開いた。06年度から4年間指揮した中竹竜二監督(36)は今季限りで退任したと表明し、OB会の矢部達三会長は、近く新監督を発表する意向を明かした。しかし、10年度の主将に選出された有田隆平(東福岡)は、学生側は中竹監督の続投を希望していると明言。OB会との話し合いが平行線をたどっていることが分かった。

 予餞会後、中竹監督は「OB会からは今年勝っても、退任と言われていた。学生たちと一緒に真剣勝負ができて幸せだった」と話した。しかし、有田は「監督が口にされたんですか。じゃあ、そうなんですね」と困惑気味。すでに始まっている来季の指導体制の話し合いでは、OB会から、新監督の候補者を提案されていると認め、「そこには返事せず、僕らは中竹さんというスタンス」と話した。

 早大ラグビー部の監督は、OB会と学生側が話し合って合意した上で、大学側が了承する形を取っている。OB会は元日本代表SHで、今季コーチを務めたOBの辻高志氏(32)の昇格を提案したもようで、矢部会長は「近々に新監督を発表できる」と話した。

 しかし、有田は「どっちかが条件のまなくてはいけないんですが。このままでは監督なしのシーズンになる。どうなるんでしょう」と不安げ。2年ぶりの大学日本一を狙うシーズンの幕開けは波乱含みとなりそうだ。【阿部健吾】