ラグビー大学選手権(19日開幕)で14シーズンぶり優勝を目指す明大に、スケールの大きな新戦力が現れた。プロ野球元中日郭源治投手(54)の次男、WTB佳久創(かく・そう、2年)だ。12日、サントリーとの練習試合に先発し、父譲りの身体能力を発揮。社会人相手に前半8分には密集戦でターンオーバー、同25分には相手2人を蹴散らして右サイドを突破するなど、トライにつながる働きを見せた。まだ公式戦出場はないが、吉田義人監督(41)は「うちの秘密兵器です」と本番での起用を示唆した。

 184センチ、84キロの大型WTBで、最大の持ち味は快速球ならぬ快足だ。「ランでは誰にも負けたくない」。ただ、入学時は体重73キロと線が細く、「技術面で粗削りだった」(吉田監督)。今春は4軍相当のDチームだったが、体を鍛え、パスキャッチの精度などを磨き、今月初めにAチームに昇格した努力家でもある。「ステップがすごい」と尊敬する吉田監督の現役時代のビデオを見て研究した。

 既に7人制の日本選抜遠征にも選ばれ、吉田監督は「16年リオ五輪(7人制)で日本代表エースに、その次は15人制で19年W杯に」と期待。本人も「そういう気持ちがないといえばウソになる」と話す。台湾から若くして来日し、努力でプロ野球のトップ選手にのし上がった父には、日頃から「自分を信じろ」と言われるという。

 19日の大学選手権1回戦中大戦は、故郷名古屋(瑞穗)開催で、「ぜひ出たいですね」。同市内で中華料理店を営む父に、やっと晴れ姿を見せるチャンスだ。【岡田美奈】