【トゥールーズ(フランス)21日=松本航】ラグビーW杯フランス大会に臨んでいる日本代表(世界ランク14位)が、モナコから28日(日本時間29日)サモア(同11位)戦の開催地トゥールーズへ入った。
1勝1敗の1次リーグ2戦では、登録33人のうち追加招集のFB山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ)を除いて8人が出場機会なし。チームはスローガン「Our Team(私たちのチーム)」を掲げ、外れたメンバーも自身の出場機会を目指しつつ、仲間のサポートを欠かさない。
33人が一丸となり、白星を目指す。
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激闘の疲れを地中海に面したモナコで癒やし、日本代表がトゥールーズに戻ってきた。
17日イングランド戦後のロッカールーム。20人ほどの首脳陣やスタッフの投票により、ピッチ内外の貢献をたたえる「グローカル賞」にプロップのシオネ・ハラシリ(横浜キヤノンイーグルス)、SH福田健太(トヨタヴェルブリッツ)が選ばれた。
ともに2戦連続で出場なし。毎試合変わるサインに加え、相手の戦術も頭に入れる福田は「こういう状況で頑張れない選手は、どこにいっても頑張れない。W杯メンバーの責任がある」と真剣な表情で口にした。
W杯登録33人の出身は8カ国。19年大会前からグローバル(世界)とローカル(地域)が融合した単語「グローカル」で多様性を重んじてきた。トンガ出身のハラシリは「ボンジュール」と全員にあいさつし、明るい雰囲気づくりも担う。
チリ戦でハラシリ、フッカー堀越康介と受賞したプロップ垣永真之介(ともに東京サントリーサンゴリアス)は「チャンスが来れば貢献したい。出なくてもできることがある」。中10日のサモア戦勝利へ、アワチームの心は欠かせない。