対談する伊藤華英(左)と川島眞氏①

9月20日には日本開催のラグビーW杯が、来夏には東京五輪が行われ、屋外でのスポーツ観戦が増えることになる。競泳で五輪に2大会出場し、ラグビーW杯のドリームサポーターも務める伊藤華英さん(34)が、皮膚科医であり光老化啓発プロジェクト委員会の理事でもある川島眞氏(67)に日焼け対策のポイントを聞いた。伊藤さんの現役時代の日焼け対策法、サンスクリーン剤の選び方、スポーツ観戦時の太陽光に対する注意点など盛りだくさんな内容だ。

川島強い日差しが気になる季節ですが「光老化」という言葉をご存じでしたか。

伊藤全然知りませんでした。

川島実は日本人で「光老化」という言葉を聞いたことがある人は20%ぐらい、言葉の意味まで知っているという人になると、たった数%しかいないというデータがあります。ご存じないというのも悲しいけど、仕方ないです(笑)。ですから、これから光老化についてお話しします。

伊藤よろしくお願いします。

光老化について説明する川島氏
光老化について説明する川島氏

川島光老化というのは、基本的には太陽光線を無防備に浴び続けることにより起こる皮膚の加齢変化のことです。

伊藤光を浴びなければ肌は老化しないのですか?

川島お尻や二の腕の皮膚は白くてシミもシワも少ないですよね。顔とか腕と同じように年を取っているはずなのに老化していないのです。光が関係して肌に影響を与えていくことが「光老化」なんです。

伊藤あー、そういうことなのですね。

川島紫外線を浴びることで日焼けしますよね。あれはサンバーンという太陽光線による火傷で、すごく赤くなってヒリヒリしたり、ひどい場合は水膨れにもなるという即時的なものです。「光老化(フォトエイジング)」は子供の頃から日光を浴び続けてきて、早い人だと20歳代後半から遅い人でも40歳代から発症してくる慢性の変化のことをいいます。

伊藤知りませんでした。急激な日焼けではなく、長い年月をかけて日光を浴び続けることで起こる変化なんですね。

川島「シミ」「シワ」「たるみ」が光老化の代表的な症状ですが、我々皮膚科医はその先の「皮膚ガン」の存在を気にかけています。皮膚ガンの80%は太陽光線の当たる部分にできます。日光は(シミ、シワ、たるみの)美容的な問題もありますが、医学的な問題も発症させるのです。それに対するケアが必要であると警鐘を鳴らしています。

日焼けは疲れが残りやすい

川島氏の話を聞く伊藤華英
川島氏の話を聞く伊藤華英さん

伊藤私はオーストラリアによく行くのですが、オーストラリアは日本よりも日差しが強いので気になっていました。日焼け止め(サンスクリーン剤)を塗っていないと5分で肌が痛くなってしまいます。

川島オーストラリアの人は日焼けに関する意識が高いので、子供の頃から帽子をかぶり、日焼け止めを塗って、長袖を着ていますよね。

伊藤そうですね。日本人はきれいに焼くために日焼け止めを塗ってますよね。日焼けマシンに入ってさらに焼こうとしている男性も多くいらっしゃいますね。

川島懸命にモテたいがためにね。皮膚がん一直線だ(笑)。ところで競泳は室内でするイメージですが、練習では屋外で泳ぐこともあったのですか?

伊藤海外に合宿に行くと外プールで泳ぐことが多かったですね。また子供の頃は外プールが多かったので、日焼け対策は小さい頃からしてましたね。日焼け止めを塗らないと泳いだ後の疲労が大きいんです。練習で疲れる上に肌が火照ることでさらに疲れる。

川島日焼けすると疲れが残りやすいことを実感されているのですね?

川島眞氏

伊藤実感してました。(サンスクリーン剤を)塗らないと練習を頑張れなかったですね。(サンスクリーン剤の)においが気になるのですが、気にしないようにして塗ってました。なので練習仲間同士で塗りあいっこしてました。それとゴーグルをずっとしているので塗らないと逆パンダになっちゃうんです。なので顔にもちゃんと塗ってました。

川島疲れが残らないように子供の頃からサンスクリーン剤を塗っていたことが、結果として「光老化」の予防になっていましたね。だから今でも肌がきれいなんですね。オーストラリアによく行かれるとおっしゃってましたが、海外のプール事情、日焼け事情はどうですか?

伊藤海外のプールでは(サンスクリーン剤を)塗らないと入れないというところもありましたね。日焼け止めの種類もすごく多いです。プールに来る子どもたちも弁当袋に弁当と一緒に日焼け止めを入れているんです。ふりかけを入れているみたいに(笑)。それくらい日焼けに関する意識が高いですね。

プロフィル
伊藤華英(いとう・はなえ)
◆伊藤華英(いとう・はなえ)1985年(昭60)1月18日、埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれ。東京成徳大高―日大―セントラルスポーツ。背泳ぎ選手として同い年の寺川綾とともに活躍した。世界選手権は01年から4大会連続で入賞。08年北京五輪100メートル8位。10年から自由形に転向し、12年ロンドン五輪に出場。同年の国体後に引退し、早大大学院―順大大学院。19年ラグビーワールドカップのPR活動などを担う「ドリームサポーター」も務めている。
川島眞(かわしま・まこと)
◆川島眞(かわしま・まこと)1952年(昭27)4月4日、宮崎県宮崎市生まれ。1978年東京大学医学部卒業。東京女子医科大学皮膚科主任教授を経て、現在は東京女子医科大学名誉教授、医療法人社団ウエルエイジング総院長。専門はアトピー性皮膚炎、ウイルス感染症、美容医療。日本美容皮膚科学会前理事長、日本香粧品学会前理事長、日本コスメティック協会理事長、NPO法人皮膚の健康研究機構副理事長。

光老化啓発特集 ニュース一覧

第1回
秋も油断できない光老化とは!?
第2回
Coming soon
第3回
Coming soon