大麻の陽性反応が出て日本相撲協会を解雇されたロシア出身の元露鵬、元白露山の兄弟が、協会に力士としての地位確認を求めた訴訟の口頭弁論が21日、東京地裁(渡辺弘裁判長)で開かれ、兄弟側の証人として北の湖前理事長が出廷した。

 前理事長は、2人から昨年9月の簡易検査で陽性反応が出た直後、解雇などを含め処分を行うかどうかについて「(協会内で)話は一切なかった」と証言。

 だが「理事会で『処分をしなきゃいけないのでは』という話が出た。(調査に対し)2人が『ロサンゼルス巡業で吸ったのを内緒にしてほしい』と隠そうとした点が大きいと思う」と解雇が決まった経緯を説明した。

 処分に賛成した理由については「元白露山の師匠として擁護していると思われるのは嫌だった」と述べた。

 この日の法廷には、2人のうち元露鵬だけが姿を見せ、元白露山は出廷しなかった。兄弟側は「ロス巡業で吸ったと認めた」との協会側主張を否定している。

 前理事長は週刊現代の八百長疑惑報道をめぐる名誉棄損訴訟でも、これまで2度にわたって東京地裁での証人尋問に出廷している。