大麻の陽性反応で日本相撲協会を解雇されたロシア出身の元露鵬関、元白露山関の兄弟が「薬物検査に問題があった」として、伊勢ノ海親方(元関脇藤ノ川)ら協会の再発防止検討委員会元メンバー3人に計4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は29日、請求棄却の一審東京地裁判決を支持、兄弟側の控訴を棄却した。

 鈴木健太裁判長は一審判決同様に「検査手続きが公正、適正さを欠く違法なものとはいえない」と判断。親方らが警視庁に通報した点も「犯罪の有無の解明を捜査機関に委ねようとした行為で正当だ」と述べた。

 判決によると、協会は別のロシア人力士が大麻取締法違反容疑(所持)で逮捕されたため、2008年9月、十両以上の力士を対象に尿検査を実施。1回目の簡易検査、2回目の精密検査でいずれも陽性反応が出たとして兄弟を解雇した。