角界を揺るがした八百長問題発覚から2日で、ちょうど1年がたった。

 八百長関与が認定され、昨年4月に日本相撲協会から追放された元力士たちは、元十両霧の若の岡本将之氏(28)が昨年10月末にプロレスラーになったように、多種多様な道を歩んでいる。

 岡本氏はアントニオ猪木氏が率いる団体「IGF」に入門。「若いうちにしかできないことがある。相撲のおかげで耐久力と瞬発力はある」と話す。17日に東京都内でデビュー戦を迎える予定。

 体重250キロを超える巨漢として人気を誇った元幕内山本山の山本龍一氏(27)は米国で俳優としてスタート。本人によると映画やCMの端役だが、最近はインドでのプロレスイベントに呼ばれた。「この1年は何とも表現しづらいが、自分の生きる道を見つけることはできた」そうだ。個性を保つため、現役時代の体重を維持している。

 前谷川親方(元小結海鵬)の熊谷涼至氏(38)は東京都内で加圧トレーニングジムを開業した。元幕内豊桜の向俊昭氏(37)は柔道整復師を目指す。モンゴル勢では母国で実業家になった元力士もいる。

 八百長関与を認め、大量追放につながる証言をした元竹縄親方(元幕内春日錦)の鈴木孝洋氏(36)は、所属した春日野部屋関係者によると所在が分からない。