大相撲の八百長問題で日本相撲協会を解雇された元幕内蒼国来の恩和図布新氏(中国出身)が、力士としての地位確認などを求めた訴訟の口頭弁論が19日、東京地裁で開かれ、同氏は八百長への関与を完全否定した上で「(八百長を認定した)特別調査委員会を許せない。最後まで諦めない」と涙ながらに訴えた。

 弁論では、八百長と認定された一昨年夏場所の春日錦戦と、同じ春日錦戦でも認定外の同年初場所の2番を映像で検証。水色の着物にまげを結った恩和図布新氏が1番ずつ説明した。代理人の小松初男弁護士は「映像で八百長はないと立証できた。彼を土俵に復帰させたい」と話した。

 次回公判は10月15日。相撲協会側が希望する元春日錦の鈴木孝洋氏の出廷がなければ結審し、年内に判決が出る見込み。