大相撲の元大関把瑠都(28=尾上)が引退の意思を固めたことが10日、分かった。すでに師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)が一部の関係者に意向を伝えた。把瑠都の有力後援者は「引退と聞いたが、非常に残念。ケガさえしっかり治せば、まだまだ戦えると期待していたのに」と明かした。

 夏場所7日目の稀勢の里戦で、致命傷を負った。寄り倒された際に持病の左膝を悪化させ「前十字靱帯(じんたい)および半月板損傷」と診断された。名古屋場所前は、すり足やてっぽうができるまでに回復したが、現在もそれ以上の負荷はかけられていない。

 昨年初場所で初優勝し、欧州初の横綱をつかみかけた「エストニアの怪人」。ケガという難敵には、かなわなかった。

 ◆把瑠都凱斗(ばると・かいと)本名・カイド・ホーベルソン。1984年11月5日、エストニア生まれ。04年夏場所初土俵。06年夏場所新入幕後、三賞7回受賞。10年夏場所大関昇進。12年初場所優勝。同年九州場所限りで大関陥落。通算431勝213敗102休。得意は寄り、投げ、つり。家族はエレナ夫人。198センチ、189キロ。血液型A。