琴春日(30=佐渡ケ嶽)が、93年(平5)春場所の初土俵から所要91場所と史上2位のスロー新入幕を果たした。日本相撲協会は24日、大相撲夏場所(5月11日初日、両国国技館)の新番付を発表。千葉・松戸市内の佐渡ケ嶽部屋で会見した琴春日は、2年前にドラマチックな再会から交際がスタートした小学時代の同級生でもある婚約者の山上恵里さん(30)も披露し「二重の喜び」となった。

 新入幕&婚約会見。琴春日は噴き出す汗をふきながら、恵里さんを紹介した。「福岡県春日市の小学時代の同級生です。彼女が6年で転校して音信不通でしたが、2年前に再会して…」。

 06年春場所後の大阪、知人に誘われた食事会で再会した。互いの顔も忘れていたが、出身地、本名を確認するうちに「あの桂吾くん?」「えっ、あの山上?」と3、4年生で同じクラスだったと気付いたという。

 同年5月から交際開始。幕下だった琴春日は同年名古屋から先場所まで勝ち越しを続け、星岩涛の115場所に次ぐ2位のスロー出世で新入幕を果たした。「彼女はクラスのマドンナでした。プロポーズはその年の11月。自分の父親から『幕内に上がるまで結婚は認めない』と言われていたので、ようやく一緒になれる」。

 大関琴光喜、琴欧洲ら弟弟子に出世で先を越され、両ひじの負傷で何度も引退を考えたが苦節15年でダブルの喜び。「彼女と出会ってから楽しく相撲を取れるようになった。引退しなくてよかった」。恵里さんも「関取を心から尊敬します」。5月2日に婚姻届を出し、挙式、披露宴は9月に都内のホテルで予定。その時も幕内力士で迎えるつもりだ。【柳田通斉】