相撲界もドラフト制導入!?

 9月30日に東京・両国国技館で行われた師匠会で、大卒力士の入門規制案が話題に挙がった。ある親方が「大学を出た力士が、同じ部屋に続けて入るのはどうか。礼儀作法を教える間もなく出世するし、全体のバランスを考えても疑問」と問いかけると、別の親方が「ドラフト制にすればいいんじゃないか?」と提案したという。

 近年は外国出身力士や、学生相撲で活躍した幕下付け出しデビュー力士のスピード出世が話題になる。外国出身力士は02年に「1部屋1人まで」と決定。大卒力士については04年2月、当時の押尾川審判部長(元大関大麒麟)が「特定の部屋に偏ると、面白い取組をつくれなくなる。付け出しは1部屋2人まで」と理事会で提案したが、規制はない。「先輩が親方」などのつながりで部屋を選ぶことが多く、日大などの強豪大学出身力士は一定の部屋に集まっている。

 大卒力士の角界入りは昨年8人、今年はこれまで7人。角界の活性化へ画期的な提案だが、実現へのハードルは高い。職業選択の自由などの人権問題、力士争奪戦による契約金問題、高卒・中卒力士への対応など。まずは、導入可能かどうか見極めることから始まる。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「今後の検討課題にする」と話したという。