佐渡ケ嶽部屋が6月5、6日に予定していた「オランダ公演」が、大麻問題余波で中止になることが22日、分かった。同部屋は約1年前から、日本とオランダの国交400年を記念し、オランダ・アムステルダム市内で公演する計画を進めてきた。JCC「在蘭日本商工会議所」が主催し、昨年12月に実施が内定。夏場所後の同2日には力士、行司、呼び出し、床山が総出で成田空港を出発する予定だった。

 だが、この計画に日本相撲協会側からストップがかかった。理由はオランダ国内法が大麻をソフトドラッグとみなし、禁止していないことにあった。協会は昨年8月から大麻の所持、使用をめぐって元若ノ鵬ら力士4人を解雇。2月27日には薬物禁止規定を定め、違反者は原則解雇とする方針を示した。夏場所前から抜き打ち尿検査も実施。その状況下で検査を受けていない同部屋の一行がオランダで大麻を使用する危険性を排除する狙いという。関係者によると、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「公演以外は自由行動を禁じるようにする」としていたが、意見を求められた武蔵川理事長は「今の時期、行かない方がいいのではないか」と返したという。同理事長は取材に「要請ではなく、あくまで私の意見」と話したが、佐渡ケ嶽親方は「結論は25日に出ますが、もう公演実施は難しい」。JCC事務局では事務員が「担当が不在で分かりません」と話した。