<大相撲初場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館

 モンゴル出身の幕内最軽量が、平幕勝ち越し一番乗りした。再入幕の西前頭14枚目白馬(26=陸奥)が東前頭15枚目北太樹(27)との2敗対決を上手投げで制し、幕内2場所目で初めての勝ち越し。体重128キロは大関日馬富士(25)より1キロ軽いが、毎日昼は母エンクトヤさん(46)の手作り弁当でパワーアップ。同じ「ハクバ」の長野・白馬村に後援会ができるなど、周囲の応援にこたえる躍進だ。

 白馬は土俵中央で北太樹を投げ飛ばした。平幕の勝ち越し一番乗りに「心臓が破裂しそうだった。場所前は考えられなかった」と表情を崩した。幕内で最も軽い128キロ。「丼で1~2杯。それでも最近は食べている方です」と食が細い。それでもこの3カ月間で4キロ増量。要因は昨年6月から東京・両国でモンゴル料理店「ウランバートル」を経営する母エンクトヤさんの愛情弁当だ。「お昼に弁当食べてます。モンゴル料理です」。今場所初観戦した母に勝ち越しをプレゼントした。

 館内には長野・白馬村から、約20人が応援に来た。昨年10月、同村は「せっかく同じ名前なのだから応援しよう」と後援会を設立。村の50の企業がバックアップし、関係者は「化粧まわしや合宿誘致も考えています」という。取組後は朝青龍や猛虎浪から笑顔で祝福された。「行けるとこまで行ってみます」とこちらも笑顔で話した。