日本相撲協会は14日、力士、親方ら65人が賭博にかかわっていたと発表した。この日、監督官庁の文部科学省を事業部長の出羽ノ海親方(元関脇鷲羽山)らが訪問。スポーツ・青少年局競技スポーツ課の芦立訓課長(49)は、川端達夫大臣の強い要望を代弁する形で厳しく対応した。

 相撲協会関係者と約1時間話し合った芦立課長は、平静を装いながらも怒っていた。「公益法人として、これほど不祥事が続いているところは他にどこにもない。一番厳しいのは相撲協会への解散命令だが、まだそういう状況ではない」。暴力団関係者の観戦問題に続き、野球賭博問題も発覚した。相次ぐ不祥事に、ついに「最終手段」もちらつかされることになった。

 もちろん、同省に相撲協会の解散や内部を強制的に改革する権限はない。しかし、文科省の発言を無視し続ければ公益法人として認可されなくなる可能性もある。芦立課長は「相撲協会の株式会社化?

 それもある。ただ、今の制度である以上、今のルールでベストを尽くしてほしい」と、くぎを刺した。株式会社化となれば多額の税金を負担。相撲人気低迷の中で、存続に大きな影響を及ぼす。

 文科省は、外部の人間だけで形成された調査機関の組織化を強く求めた。「野球賭博は法に触れるかもしれないのに口頭での厳重注意にとどめ、しかも自発的に申告すれば情状を酌むというのはおかしい。そういうことは、外部の人が聞けば指摘してもらえたはず」と芦立課長。新たな組織はすでに在籍している外部理事や外部監事や何人かの識者らによる小規模な組織でかまわないという。同課長は「その組織をつくるのに、何カ月もかかるというのでは話にならない」と名古屋場所(7月11日初日)までのリミットを設定。さらに「(川端)大臣も強く欲している」と文科省の総意であると強調した。