元関脇富士桜の中村部屋が、11月の九州場所後に元前頭潮丸の東関部屋へ移籍する。来年初場所後の2月に65歳定年を迎える中村親方が、4日に明らかにした。部屋に継承者がいないため、同じ高砂一門内で力士らの移籍先を探していた。

 中村親方は「若い衆を第一に考えた。規模も同じぐらいでなじみやすいだろう。親方は若いが一生懸命。先代との付き合いも」と説明した。東関親方は09年6月に31歳で部屋を継いだ。先代の元関脇高見山とは、高砂部屋で20年間現役を一緒に過ごした仲だった。

 昨年新弟子入門の話があったのが早期決定のきっかけ。「もう来ないだろうけど、一番に若い衆が落ち着かないだろうから」と、昨年中に後援者にも報告した。現在は元十両の幕下飛翔富士ら7力士に、行司と床山が各1人いる。東関部屋の力士は十両高見盛ら7人で、今後は出稽古や、合宿にも合流して交流を図る。

 中村親方は86年に独立し、厳しい稽古で関取4人を育てた。初場所後に副理事も退任する。「区切りをつけた方がいい」。この1年間は師匠として育成に努めるが、九州場所限りで部屋を閉め、定年までは東関部屋付き親方となる。