大相撲史上最多32回の優勝を誇る元横綱大鵬の納谷幸喜さん(享年72)の国民栄誉賞授与式が25日、東京・千代田区の総理官邸で行われた。大鵬さんが好んだ紫の着物で出席した芳子夫人は、安倍首相から「多くの国民があこがれ、愛した国民的英雄として、社会に明るい夢と希望と勇気を与えた」として、表彰状を受け取った。記念品として、全勝優勝8回にちなんで、ダイヤ8個が配置された掛け時計が贈られた。

 芳子夫人は、岩手・陸前高田市の桜で作られ、大鵬さんの握り形が入った記念杯を安倍首相に贈呈。「ホッとしました。主人が、大鵬が、受け取ってくれれば、もっとうれしかったと思う。でも、天国で喜んでいると思います」と話した。帰宅後は、霊前に表彰状、記念盾などを見せ「代わりに受け取ったよ。良かったね」と、天国の大鵬さんに報告した。